うっそうとした山の奥深くで異彩を放つその建物はこの近辺のみならず遠く離れた地にまで名を馳せる。
古今東西各地の将来を約束された、有名な、歴史ある血筋の、名家の子供達への登竜門的存在と言っても決して過言ではないだろう。








私立木ノ葉学園








ここは名のある才ある子供達が通う私立木ノ葉学園。
幼等部から小等、中等、高等、大学と一貫した教育を行える学園ではあるものの
エスカレーターと言う訳ではない。
原則中途入学を認めていない為才のない、足りない者は容赦なく蹴落とされるので
年々人数が減少する事は当然の事と認知されていた。

勿論実質この国を支えている実力者や権力者達の後ろ盾も素晴らしく、
山奥という立地条件に反して不自由を感じる事は殆どない。

ここは別名『木ノ葉学園都市』と呼ばれる。
通り名の示す様に学園を中心として病院から飲食店、専門店、娯楽施設に金融機関、
果ては巨大なマンションや億ション等完璧に備えており、
それらをぐるりと24時間セキュリティの鉄壁が取り囲む。
その為人脈や交友関係を培う意味でも一度入学が許されれば
追放される場合を除きこの敷地内で大学卒業まで生活する学生が殆どなのだ。

これら一種独特な空間にはそれに見合った特異的で簡潔なヒエラルヒーが確立されていた。



まず一般の、それでも外部から見れば十分上であるはずの、生徒が殆どを占める。

そしてその上に位置するのは「特S」と呼ばれるクラスに在籍する生徒である。
特Sクラスに振り分けられるのはそれを許されたほんの一握りの生徒である為、人数は特に決まっていない。
その為2〜3人のところもいれば二桁のところもある。
結局はその年に何人特Sに属する事が許された生徒がいるか、の話なのだ。

それからその特Sクラスの上にこの学園での殆どの決定権を握る生徒が位置する。
「特部」と呼ばれる生徒で、いわゆる生徒会長のような存在である。
この「特部」は学園各学部に一人ずつ存在し、
例えば高等部特部の生徒は高等部1年〜3年の3学年全体を取り締まり、
高等部における全決定権を持っていた。

つまり幼、小、中、高、大それぞれの特部が集まり木ノ葉学園都市を機能させていると言っても過言ではない。
ここでは学生生徒が全ての実権を握り、外部からの意見を断絶しているのと同意義なのであった。


然るに知力、体力、統括力、指導力、果ては時の運まで総合して求められる特部の人間は
原則途中で任を交代する事はない。
それ故現在、高等部特部に当たる人物は高校2年生の今年、高等部では2年目の特部を続任している。

彼、日向ネジは歴史ある名家の嫡男であり、多少言葉少なく愛想が無い事を除けば正に適任と言え、
その意味では下からの信頼も厚い。
―――――つまりは典型的な会長タイプなのだ。







そのネジが滅多に見せないほど眉間に皺を寄せ集め、高等部特部室に佇んでいた。

元来特部の人間のみに宛がわれるこの一室に何故かネジ以外に5人の人間が
ネジ以上に我が物顔で寛いでいる。


「ネジ、皺がすげぇぞ」
と、今にも高笑いし始めそうな犬塚キバ。

「その言い方ってちょっと誤解しそうだよ」
と、一見気を遣ってそうで否定はしない秋道チョウジ。

「老けて見える」
と、一切気を回さない油目シノ。

特Sに在籍するこの3人の向かい側に座る2人も同じく特S在籍メンバーである。


「煩い、キバ。菓子を零すな、チョウジ。お前も似たようなものだろ、シノ。」

3人に対して明らかに嫌そうな顔はするものの、
ネジはこの5人がこの部屋に居る事を当然のように振舞っている。

「大体お前達暗部が動くと後始末が面倒なんだ」
「だって特部じゃあ動けなかったでしょ?」
「…それにしてももう少し暗部らしく密やかに事を済ませてくれ」
「あ、ソレ絶対ぇ無理!だって久しぶりだったしそれに…」


「キバ。今回は明らかにお前が悪い」


と、それまで黙っていた奈良シカマルが口を挟む。

「でもよぉーアレは」
「ネジ、迷惑掛けたね」



ネジに向かって投げられた筈の言葉でキバの口がぴたりと閉じて萎縮する。
ネジはネジで謝罪の言葉をかけられた筈が有無を言わせない空気を感じ取り、キバと同じく黙ってしまう。


声の主はにこりと笑って場を収めた。
美しい華には毒がある事を体言するかの如く、たおやかな気と尊大な空気はまるで皇帝の様に、
彼、うずまきナルトによく似合っていた。



彼ら5人は日常、煩くて食べてばかりのやる気が無い、等と何故特Sなのか疑問視されてしまう程の生徒だった筈である。
しかしそれらは全て彼ら自身の存在を虚ろにする為であったのだ。



彼ら5人の実の所属名は「暗部」
実在しないとされている彼ら暗部はこの学園の位階制の頂点に君臨する力と技と
そして何かを持ち合わせている。
即ちこれら全てを明るみに晒した場合、彼ら暗部に敵う者は存在しない。
木ノ葉学園を生かすも殺すもこの高等部生5人に係っており、暗部がNOと言えば恐らく次の日には
この都市の存在事態が無かったものなっている――――その位影響力を持っていた。

その中でも勿論の事、上下関係は一般の学生生徒以上にハッキリしており
ナルト、シカマル、シノ、チョウジ、キバ、と羅列している。

そもそも素のナルトはその場に在るだけで空気がガラリと変わる程、類稀なる存在である。
それはここにいるナルト以外の5人が身を持って知り得た事。

だからこそ暗部の存在を公にしないのか?と問われれば強ち否定もできない。
否定は出来ないが、暗部とは元々特部と言う表立った動きの出来ない問題に対処し、
陰ながら全てを司る為だった筈…である。
(現在は前者と後者の比率が半々なのは否めない)



「ナル、周りが固まってるぞ」



シカマルのこの一言で緊張は幾分和らぎ、それに連れてナルトもゆっくり息を吐き出す。

この様な場にあってシカマルは唯一進言できる、つまり特別な存在だと言う事は今では周知の事実。
最初は公にするつもりなどなかったのだが、こうでもしないと俺が大変なんだ!とはシカマルの言い分。
ナルトにとっては何処吹く風なのだから全く鋭いのか鈍いのか良く判らない。






それでも彼ら暗部のおかげで、
今日もこの学園都市は安寧の場と成り得ているのは紛れも無い事実なのだった。

以下反転で微解説
因みにコレが元ネタの4000hitリク絵

書いちゃいました…。
この設定は4000HITのリクを貰った時から考えてたんですよ!
でも漫画に起こすには厳しいなぁ〜とか思ってて…
そんな訳で色々Wパロ系になってるけど笑って見逃して下さい。
微妙に木ノ葉学園はネタが浮かび易いので続くかも…です。
コメント下さると今後の参考になるので是非!!
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