WEB拍手ss(5つのお題/束縛する/大好きな/「SummerSnow」様より)
01:縛り付けられたココロ/デスノ/NL |
01:髪を弄る大きな手(テニス/飼主不二×猫リョ) 「おれ、コレすき」 休日の昼下がり、いつもの様にくつろぐ不二と その膝の中に捕われているリョーマ。 そんなリョーマの髪を弄っている不二にふ、とリョーマは言った。 「コレって…何?」 「アンタにかみのけいじられんの。きもちイイ」 普段はリョーマに対して不二が過剰なまでの するのでリョーマのこの台詞はとても珍しい。 大人しく不二の膝の中に納まり、リョーマは目を細めている。 「嬉しいなぁ。リョーマ君がそんな事を言ってくれるなんて」 「アンタのて、おおきいし、なでられんのもスキ」 「本当に?有難う」 「…ただ…」 「ただ?何?」 「みみ…はイヤだ…」 今正にこの瞬間、リョーマの髪を弄っていた不二の大きな手が そのまま耳に移動しようとして動きを止める。 リョーマの艶やかな黒髪は勿論のこと、 漆黒のピンと立った形の良い耳も素晴らしい手触りなのを 不二は知っている。 「どうして髪は気持ちいいのに耳は嫌なの?」 傍目から見ると髪と耳の境界すら定かでない。 一体何の違いがあるのか不二は不思議でしょうがない。 すると暫く沈黙を保っていたリョーマがしぶしぶ口を開いた。 「く…くすぐったいの!みみは!!」 ――――あぁ、成る程。そう言う事か、と不二は合点がいった。 つまり髪と違い、耳には神経が通っている。 その為幼いリョーマにとっては それがくすぐったくてしょうがないのだ、と言う事。 そして耳と同様の理由で尻尾も嫌だと主張した。 そんなリョーマの切なる主張を 不穏な気配でもって聞くのは勿論この男。 「耳と尻尾か。将来有望だね。敏感ちゃん」 そこにはさも満足そうな表情で笑んでいる不二が居た。 |
02:大好きな背中(ナルト/シカナル/暗部) 眼前に広がる。 「シカマル、何ボーっとしてんだよ?」 思い切り見開いた視界を覆うように広がるナルト。 どうやら一寸の間意識が飛んでいたらしい。 「幾ら三下相手でもそれはどうかと思うぞ?」 「あぁ…。いや、悪い」 「別に。ただ万一にも怪我なんてされると面倒だし? そうなっても自力で里に帰れる程度には止めといてくれよな」 ――なんてこれはナルトなりの心配だと知っている。 知っているからこそ、 それが嬉しくてついつい顔が緩んでしまう。 「…反省の色、無し?あっそ。もぅ知らねぇ」 ぷい、と呆れた様にそっぽを向かれてしまった。 そして自然、向けられてしまうその小さな小さな背中。 里で一番強くて、どこか悲しい、誰よりも優しい背中。 何よりも大切で誰よりも大事でだからこそ大好きなその背中。 だから守れるよう、その為に強くなると、己に誓った。 眼前に広がるこの小さな愛しい背中くらいは守れるようにと、 一人誓った。 |
02:銀色の鎖/Dグレ/アレン |
03:鳥籠に閉じ込めて/テニス/不二リョ |
03:優しく微笑んで(Dグレ/ラビ→アレ) 「ラビっす。ハジメまして」 情けないけどそう言うのが精一杯だった。 呪われた神の御子、アレン、はとても綺麗だった。 初めて出会った時、 目にするこちらが痛々しいまでの怪我を負っていたアレン。 痛い筈なのに、辛い筈なのにアレンは優しく微笑む。 痛くない訳はないのに、辛くない訳はないのに、 それでも優しく――ひたすらに微笑む。 それはまるで神の様な 偏りを是正し、肩を持たず、深入はしない自分に、 神など信じられる訳もなく。 ただ、ただ、只単に 歴史の傍観者である事を求められるブックマンたる自分。 ―――――それでも確かにカレにカミを見た気がした。 だからもし、もしも真実、神なるモノが在るとするなら、それはきっと。 |
04:貴方の腕の中(リボン/ランツナ/10年後) この腕は変わらない。 昔は俺をスッポリと包み込んでくれた貴方の腕。 貴方の腕の中はまるでママンの様に優しくて、そして暖かだった。 泣き虫の俺に本気で呆れている時もあったし 泣き喚く俺に心底ウンザリしている時もあった。 だけど最後にはしっかりと抱きしめてくれた貴方とその両腕。 10年経った今では、こうして俺の両腕の中に居てくれる貴方。 抱き締めるこの両腕は貴方の物から俺へと 確かに変わったというのに、 今こうして抱き締めている俺の方が、 まるで貴方に抱き締められている様な不思議な錯覚。 だけど暖かな両腕と優しい貴方は10年経っても変わらない。 |
04:抵抗も拒絶も許されず/リボン/ツナ襲名 |
05:神の目にも触れさせたくはない/ナルト/シカナル |
05:とろけるようなキス(デスノ/M+N×L) Lのキスは甘い。 いつも彼が好んで甘い物ばかり食べているからなのか、 それとも元来そうなのか。 どちらにせよLのキスは甘いのだ。 例えて言えばそれはまるでホットチョコレートに浮かべた 真白なマシュマロの様に、 柔らかくて、甘くて、ふわふわしていて、 今にも融けて無くなってしまいそうな程に、 甘く、優しく、そして軽やかなキス。 俺の、私の、一番大好きな人からの大好きなキス。 「おはようございます、メロ」 「おはようございます、ニア」 そうして今日も蕩けてしまいそうに甘いコールが 一日の始まりを知らせにやってくる。 |